ベトナムでバイクを運転するときは鍵を抜いて運転しなければいけない

こんにちは。RYOです。

ベトナム横断中には色々なハプニングや事件、ありえないことがたくさんが起こりました。
その中でも印象深い事件が、このバイクの鍵を紛失した事件でした。

結果からいうと警備員のおっちゃんが鍵屋を呼んでくれて助かりましたが、 しかし日本ではありえないような貴重な体験をすることができました。

 

ベトナムのバイク事情にカルチャーショックを受ける

f:id:kafungakowai2nd:20170916035624j:plain

ヴィンという街のホテルに到着した時に事件は起きました。
ホテルの前に立っていた警備員のおっちゃんが親切に駐車場まで案内してくれました。

長い運転を終えてやっと休めると思いながら、バイクから降りてエンジンを止めようと鍵に手を伸ばすと、

あれ?

鍵を回そうと伸ばした手は空を切り、鍵に触れることができませんでした。

ヘルメットを被りサングラスをかけている為、あまり首を動かすことができない状態でした。
なので手探りで鍵を探すも一向に手が鍵に触れないんです。

ここまで全く鍵に手が触れないなんてなんだかおかしいなと思い、そこで初めて鍵穴の方を見ました。

え?うそ?

え?え?そんな!

嘘だろ!

鍵がない!!

信じられない光景が目に飛び込んできました。
一瞬何が起きたのか分からず頭が真っ白になり情報を処理するのに数秒かかりました。そして改めて状況を認識できました。

そこには鍵のついていない鍵穴だけがありました。
しかもエンジンはかかったままの状態で。

運転している間に鍵が抜け落ちたのです!

※あまりバイクを乗らない方のために説明すると、これって日本じゃあり得ない状況なんです。

バイクっていうのは普通は鍵をささないとエンジンはかからないし、鍵を抜いたらエンジンは切れるんです。

だから、鍵がなくてエンジンがかかっている状態というのはあり得ない状態なんです。
ちなみに鍵が抜け落ちるのもあり得ないことです。

状況が飲み込めたところで一気に不安が湧いてきました。

これ、どうやってエンジン止めればいいんだろう?
このままガソリン切れでエンジンが止まったら、その後はどうすれば?

駐車場で途方にくれていると、さっきの親切に案内してくれた警備のおっちゃんがきてくれました。

おっちゃん
どうした?(ベトナム語)
RYO
鍵を無くしたみたいで、エンジンが止まらないんです(英語)
おっちゃん
ナンチャラカンチャラ(ベトナム語)

どうやら、おっちゃんは英語は全く分からないらしくベトナム語で聞いてきました。
ベトナム語は僕が全く分からないので、鍵穴を指差して鍵がないことをアピールしました。

すると、おっちゃんは笑顔で『なるほど!』みたいなリアクションをしてどこかへ行ってしまいました。

待っていると1〜2分ですぐ戻ってきました。
そして、その手には見たこともない鍵。

え?おいおい!

これって?

おっちゃんは、おもむろにその鍵を僕のバイクに突っ込みました。
そして鍵をひねると、

エンジン止まったし!!

衝撃映像すぎて思わず笑ってしまいましたよ。

いやいや、なんで止まんのよ?

驚きのあまり、おっちゃんを見て説明を求める僕。

それに答えるように笑顔で頷くおっちゃん。

いやいや、頷いてる場合か!

僕はなぜその鍵でエンジンが止まったのか?
それは僕がどこか近くに落としていた鍵を拾ってくれたのか?

必死でボディーランゲージで伝えました。

ボディーランゲージが伝わったのかおっちゃんが答えてくれました。
もちろんボディーランゲージで。

その答えは、

どの鍵でも使えるよ。とのこと。

なんでやねん!

全くもって鍵の意味ねーじゃねーかよ。
鍵が全部使えるって一体どういう状況だよ?

バイク盗み放題じゃん。
おかしいでしょ!

と、矢継ぎ早に言葉が浮かんできたけど、

まぁ、こんなことを言ったって笑顔で頷いているおっちゃんには全く伝わらないワケで、そしてここはベトナムの田舎町なワケです。

日本人の常識が通じるわけもなく、僕の脳内ツッコミは口から外に出ることなく僕の中で消化されていきました。

大事なのは言葉ではなく心

さて、エンジンが止まったはいいが鍵が無くては出発できません。
おっちゃんの持ってきてくれた鍵はエンジンは動かせることはできたけど、メットイン(荷物入れ)を開けることはできませんでした。

そこで、おっちゃんにボディーランゲージで聞いてみました。

RYO
近くに鍵屋はありませんか?(ボディーランゲージ)
おっちゃん
ある。今から電話してやる。(ボディーランゲージ)
RYO
ありがとうございます。すぐに直りますか?(ボディーランゲージ)
おっちゃん
見てもらわないと分からないな。
でも多分すぐ直る。
車体証明書はあるか?(ボディーランゲージ)
RYO
あります。これです。(ボディーランゲージ)

この間およそ5分。ずっとボディーランゲージ。
ボディーランゲージすげえ!

この時ほどボディーランゲージの素晴らしさに感動した日はありませんでした。
だから、僕の中でこの日は一生忘れることのない日として、
『ボディーランゲージの日』として今も大事にしています。(嘘です。)

おっちゃんが電話してくれて、すぐに業者さんが来ることになりました。

すぐ直りそうだからそれまでにチェックイン済ませてくればいいよ。
と、おっちゃんが教えてくれたので先にチェックインを済ませることに。

チェックインを済ませ、部屋に荷物を置いて一息ついて10分後くらいに駐車場に行くと既に鍵は出来上がっており、業者さんは僕を待っている状態でした。

はやっ!

と思ったものの非常にありがたいことなので、お金を払って丁寧にお礼しました。

業者さんが帰った後、おっちゃんと色々話しました。
もちろん全てボディーランゲージで。

これからどこに行くのか?
ベトナムの次はどこに行くのか?
何歳だ?
結婚はしているのか?

おっちゃんが聞いて来る質問に僕が答え、おっちゃんは好きなタイミングで自分のことを語る。
というようなスタイルで話を続けました。

約1時間ほど、そして翌日僕が出発する前にも1時間ほど話しました。
だけどおっちゃんが言っていた内容はほとんど覚えていません。

唯一覚えている内容は、

『俺は家族のためにココで働いている。まだまだ養わなくちゃいけないからこれからもしばらくはココで働いている。だからいつでも遊びにきてくれ。』

と言っていたのは鮮明に覚えています。
家族の為にという思いは世界共通なんだなと温かい気持ちになれました。

そして、出発前には鍵を絶対に落とさない方法も教えてくれました。
この方法のおかげでこれから先、鍵を無くすことはありませんでした。


ベトナムのバイクのエンジンのかけかた

改めてありがとおおおお!
おっちゃん!
斬新すぎて日本人には絶対思いつかねーよぉぉーーーー!!!!!
でも鍵落とさなかったから本当に感謝してるっ!!
あざっす!!

ベトナムの田舎でおっちゃんの優しさに触れて言葉なんて通じなくても心さえ通じればちゃんと分かり合えるんだ。
ということを体感できたベトナム縦断旅中の一幕でした。

追記

ちなみに後日気付いたんですが、僕の乗っていたバイクはスズキのバイクでした。
そして鍵の業者さんが僕に渡してくれた新しい鍵は、

f:id:kafungakowai2nd:20170915191935j:plain

・・・ホンダ・・・

別の鍵持ってきただけじゃねーか!!